出典:https://livedoor.blogimg.jp
皆さんは、高橋まつりさんという方はご存知ですか?
そう、電通の過労でうつ病を発症し、自殺なさった方です。
当時まつりさんの死をきっかけにメディアで大々的に報道され、企業意識が大きく変化しました。
また最近では木村花さんの自殺では、Twitterでの誹謗中傷が大きく取り上げられました。
では、皆さんは前田仁さんという方をご存知でしょうか?
知らないという方は、多いと思います…。
彼は高橋まつりさんが亡くなった翌年の2016年9月に自殺されました。
もうすぐ命日ですが、メディアでは報道されていません。
彼のHPには自分がこの世に存在した証拠を残すため、自身の人生を振り返っており、
後に2ちゃんねるで自殺することを宣言し、Ustreamで自殺配信を行い皮肉にも有名になりました。
(後ほどHPアーカイブの検索方法は提示しておきます。)
あまりにも内容がショッキングであったのと同時に、
そんな彼の生き様を見て、感じた疑問点や意外な点などがいくつかありましたので、自分の思うことをままに記しておきます。
ここからはとても内容が重いです。
見ていて気持ちが良いものではないと思いますので、気になる方のみご覧下さい。
前田仁さんについて
ここは、ご本人が自己紹介されている点があるので、これを見た方が分かりやすいです。
こんにちは。俺の名前は前田仁(まえだひとし)です。
産まれた日は、1988年7月24日です。
だから、2016年9月28日現在の俺の年齢は、28歳になります。
俺は4人兄弟の末っ子です。
長女の瞳(ひとみ)さんとは12歳、長男の健(たけし)さんとは8歳、次男の勇(いさむ)さんとは5歳、
年齢が離れています。それで、お母さんの名前は静江(しずえ)さんで、俺を産んだ時の年齢は32歳、
お父さんの名前は元(はじめ)さんで、俺が産まれた時の年齢は33歳でした。...
中略
...
はっきり言いますけども、
俺が中卒で引きこもりになって自殺した理由も、
こんな小さな平屋の家に6人で住んでいたせいですよ。
実際、俺の兄弟のうち、まともに育ったのは瞳さんだけで、
健さんは中学の時に不登校になって、99年5月に自殺したし。
勇さんは高校に行かずに中卒になって、ニート引きこもり生活を経てバイトをし、2008年に一応自立。
俺は2004年10月に高校を中退して、そのまま引きこもりになり、2016年9月28日くらいに自殺ですからね。
これ、俺が悪いんですかね?
そりゃーね、「親は悪く無い。引きこもりになったの責任は全部お前にある。」みたいなこと言って、
俺の事を責める人はいるのはわかるけども、
でも、認めて欲しいのは、俺の育った環境は滅茶苦茶悪いってことなんですよ。
それで、その環境の悪さというものは勉強が出来ないとかそういうことじゃなくて、
家にいるのに感情を表に出せないんですよ。
もっと具体的に言うと、
勇さんが中学校に進学した1996年位から家の雰囲気が悪くなって、
それからは、例えば勇さんが家にいるときは、テレビを見ても声を出して笑うこととか出来なくなったんです。
なんというか、感情を表に出すと、気まずい雰囲気が流れるんですよ。
だからそりゃーコミュ症になりますよ。
それで当然、コミュ症になったら人生詰むわけで、
しかも不細工で貧乏人で馬鹿という、三重苦ですからね。
俺にどうしろっつーんだよ。
…別にね、このホームページを見てる人に同情してほしいわけではないんですよ。
じゃあどうして欲しいのかと言えば、謙虚さを学んでほしいですよ。
謙虚さというのは、自分が恵まれたことに気が付いて、その事に感謝出来るかどうかなんですよ。
そして俺はね、環境にも才能にも恵まれなかった日本国民なんです。
だからね、大抵の日本国民は俺よりも恵まれているんですね。
でも、みんな俺みたいな人間に説教したがるじゃん。
俺はね、そういうやつに言いたいんだよ。
「お前はただ、環境や才能に恵まれただけなんだよ。だからそれに感謝して慎ましく生きてろよ。」とね。
…はい。そういうことです。
前田仁さんは男3人、女1人の4人兄弟で、計6人家族で、
中学時代で長女以外が引きこもり状態になって健さんは自殺、
後、仁さんも28歳という若さでこの世を去ります。
前田仁さんは周りを気にしすぎる性格「HSP」では?
仁さんはとにかく周囲の目を気にしていました。
平屋の古い家を他の同級生に見られたくない。
授業と授業の合間の休憩時間で人に負のイメージを持たれるのが怖い。
とにかく周りをよく観察しているんですよね。
だから家族が話している内容も耳を立ててよく聞いていたし、
周囲からの自分に対するイメージをよく捉えて知っている。
母親が仁さんに対して行おうとすることを予め察知してそれを忌避するなど、
ネットでは知的障害だという人もいましたが、少し違うと思います。
どちらかというとHSP持ちです。
HSP(Highly Sensitive Person)とは、「生まれつき感受性が強く敏感な気質の人」を表しており、
空気を読みすぎたり、過度に周囲の刺激に反応しやすかったり、
深く考え込みすぎて疲れやすかったり…。
現代社会にとって良いことが無い気質です。
私も含め、こういった方は多いと思います。
前田仁さんは千葉県に居た?大房岬について
実は私が前田仁さんをやたら気になったのは、理由があります。
仁さんの行った林間学校の先が「大房岬」だったからです。
それと、小学校6年の時に林間学校に行きました。うん。
それでどこに行ったのかと言えば、大房岬少年自然の家です。
「大房岬少年自然の家」というのは地元住民なら誰もが知っている、
海に囲まれ、自然の家があってキャンプも出来る自然公園です。
実は私も学生時代に大房岬へ野外学習として何度も訪れています。
千葉県民の方の中でも、中部~南部くらいの方であれば、何かしら名前を聞くことがあるのではないでしょうか。
ここで私も千葉県民として、前田仁さんについてとても興味が沸いたのです。
仁さんは千葉県中部~南部在住だった?自宅について
ここで、仁さんのHPで掲載されていた画像を幾つかピックアップしてみました。
まずは小学三年生くらいまで遊んでいたという思い出の場所として挙げていたパシオス。
これは千葉県中央区にあるビルです。
今はパシオスの存在はだいぶ薄れてしまっていますが…。
そして図書館画像。
これだけ独特な形のつくりなら、どこの図書館かくらいわかるのでは…??
と思って探しました。
そしたら、見つけました。
小さな図書館なので、恐らくお住まいから一番最寄りの図書館だと推測しています。
これで千葉県中部の方だという事が分かりました。
その後も個人的に気になり、色々調べていたら、なんとご自宅を見つけてしまいました。。。
(具体的な住所も特定できてしまいましたが、ご本人やご家族、周囲のプライバシーを尊重して完全秘匿とします。)
というより、これだけ大量にヒント画像が載せてあるので、すぐにわかっちゃうんじゃないかなあ…。
ご家族、ご近所の方、大丈夫だろうか。。。
ただ、場所が分かったことで私の中で謎が浮かび始めます。
謎①前田仁さんの家は本当に貧乏だったのか?
前田仁さんのお住まいの位置を考えるに、個人的印象ですがさほど田舎ではありませんでした。
平屋の一軒家と述べてありましたが、一坪辺りの単価はぶっちゃけ私の地元なんかより地価バリ高いと思います。
家がぼろい、洋服もお下がりなどあまり良い物では無かったことは確かに本人にとってはつらい事ですが、当時であれば児童手当(当時は子ども手当)制度なども多分にあり、
引きこもりが居てもノートパソコンや家庭用ゲーム機など嗜好品を買い、母親一人で生活を養えていたことからも貧乏だったとは言えないと思っています。
ただ仁さんが地域住民と比較した場合は、これに限らないですが……。
謎②前田仁さんは何故自立をしなかったのか?
働かないのはコミュ症や環境要因もあったとして、何故生活保護や精神科での自立支援など、
生きていくための何かしらの対策を取らなかったのでしょうか。
TOSHIBAのノートパソコンは持っていましたし、PSPでのネット検索でも調べるのは容易だったはずです。
HPの最終部らへんには、
だって、引きこもり生活なんてずっと出来るわけじゃないですし。
だからいつかは覚悟を決めなければいけないんですよ。
と自殺経緯の一部を述べていますが、ぶっちゃけ生活保護に移ってしまえば、引きこもり生活も出来たはず。
これだけの文章力があって地頭の良い仁さんなら、いくらでも考えることは出来たはず……。
譲れないプライドが仁さんの中にあったのかもしれないですが。私には謎です。
謎③母親(静江さん)への間接的嫌がらせ
以下、仁さんの文章抜粋です
…で、なんか、元さんが家にやってきたり、静江さんが話しかけてきたりしたことが原因で、
俺の精神バランスが狂って、起床時間や就寝時間が不規則なったり、風呂に入らなくなったり、
日常的にイライラするようになったんですね。とてもイライラした時は、家の砂壁に肘で穴を開けたり、
静江さんの液晶テレビのコードをハサミで切ったり、
静江さんの服にソースやマヨネーズを掛けたり、静江さんの寝具にインスタントラーメンを掛けたり、
静江さんの持っているDVDの裏面にハサミで傷を付けたり、
健さんの遺骨を庭に撒いたり、ホットミルクを入れたマグカップを投げて風呂場のガラスを割ったりしました。
また、「何で産んだんだよー」「教育できないなら産むなよー」というような内容の独り言を大きな声で言いながら、
トイレのドアをバタンバタンと開けたり閉めたりしたこともありました。
その時は、静江さんのすすり泣く声が聞こえてきました。
ここらへんで、イライラして物に当たるところまでは理解できるのですが、
極力関わらないように、話しかけられても会話のキャッチボールをしないように、完全に存在を消したように扱っていた母親に対して、
なぜ母親が行動に移すことを誘導させるかのように、母親の私物をわざと壊したのかが謎です。
「可哀想」という感情が浮かぶと同時に、「何故?」という疑問がとても沸きました。
ここが一番意味が分からなかったし、理解できなかった。
もし「お前のせいでこうなったんだ!」という意図だったのであれば、本人に危害を加えるのでは?と思います。
でもそれをしていないあたり、どこか優しい母親を憎めない、優しい息子の姿があったんじゃないかなって思うんです。
だから物に当たって、父親が来たこと、母親が急に話してきたことに対し母親の物を壊すことで苛立ちを帳消しにしようとしたのでは?と感じます。
謎④仁さんはイケメンだったのでは?
決して嫌味でも皮肉でもなんでもないのですが、
アーカイブスに載っている本人の自撮り画像を見る限り、仁さんは完全な二重で、優しそうな目をしており、
私の第一印象としては少し痩せればプロレスラーの「KENTA」さんに似るのでは?と思いました。
もしくは阿部寛さんですかね。ソース顔として、決して不細工だとは思いませんでした。
やはり、本人のモチベーションや価値観によって、イケメンか否かという印象は変わるのかもしれません。
所感①長年の疑問が解決された
前田仁さんのお話の中で、私の中でずっと疑問だった点が一つ解消されました。
「元に、仁がこうなったのは私のせいって言われちゃったw」とヘラヘラ話し掛けて来ました。
俺は静江さんが話しかけてきたことに動揺したけれど、
反応したら静江さんが俺に粘着してくると思い、無視しました。俺が無視をしていると、
静江さんは俺と会話をすることを諦めたのか、ドアを閉めました。
私はニートや引きこもりの人が親に話しかけられても、返事をせずシカトをしている気持ちがよくわかっていませんでした。
でも、ここの文で一つ勉強になりました。
返事をすると会話のキャッチボールが続いてしまうから、無視していたんですね。
その後仁さんはお母さんに泣かれながら腕を掴まれて話しかけられるんですが、
その時も出来るだけ話を膨らませないようにという意図から考えて発言をしているんですよね。
親目線からしたら、なかなか、悲しいですね…。
所感②プライバシーの欠如
平気で万引きしたことや、違法ダウンロードをしたことを公表しています。
→少し前の時代は言うことにあまり躊躇いがなかったのでしょうか?
今は整形したことさえ隠すような時代なのに←
また住所が分かってしまうような情報や画像を躊躇なく載せています。
もう最後だからと遠慮なく載せたのでしょうか。
全てを書いているところが潔いというか、素直さを感じました。
まとめ:全国の自殺者数は約2万人、男性は女性の2.3倍
以下は警察庁の発表した令和元年の自殺者数です。
全体で2万169人、男性は1万4078人、女性は6091人です。
この統計からみても、男性の自殺者が圧倒的に多く、社会問題化していますね。
ただ10年前の2010年では自殺者数が3万人を越えていたので、1万人減ったことはだいぶ日本が改善されてきたという印象を受けますね。
年齢別でみるとこんな感じ。
前田仁さんの自殺は日本の自殺者の氷山の一角にすぎません。
毎年数万人が自殺していく中で、それぞれが何を思い、何を考えていたのか…。
つい二カ月前には俳優の三浦春馬さんが自殺しています。
しかし、一般人の方の実情はなかなか報道されません。
前田仁さんは自殺配信まで行って自身の思いを訴えていましたが、
世間にはあまり届いていないのでしょう。
その為、これからもこのような悲惨な顛末は続くと思います。
…これはね、このホームページの最初の方に書いたことなんですけども、
結局今自立している人間て、親に恵まれただけなんですよね。
それで俺は親に恵まれなかったんだよ。だからそのことに感謝してくださいよ。
それで、俺みたいな才能にも環境にも恵まれなかった人間に説教するのはやめて、
俺を自立させることが出来なかった静江さんを責めてくださいよ。
お願いしますよ。だってそうなれば、
「いやいや俺だって悪い部分があるんだから、静江さんに責任転嫁するのはやめますよ。」という風に、
自分の悪い部分を素直に認めることが出来るようになりますから。逆に、静江さんだって悪いのに全責任を俺のせいにされたら、
「…いや、静江さんだって悪いのに何で俺ばかり責められるんだよ…」という風に、
卑屈にならざる負えなくなるんですよ。それで、「俺が全部悪いんだよ。だから死ぬよ。」ってなるんだよ。
わかってくれましたか?
…で、まあ、それはおいといて、一応約束したことですから言いますよ。
お前の人生意味なかったな。静江さんへ、仁より。
自殺のバックボーンを捉え、どう生きていくべきなのか、
子どもが生まれた時、親としてどう接してあげることが大切なのか、
とても考えさせられる内容でした。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
前田仁 ブログ ここにアーカイブ保存があります。